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Japanese Trade Policy Making Process to the European Community: 1978-1991 - From a New Institutionalist Perspective-

Book Contribution - Book Chapter Conference Contribution

主要貿易相手国である米国と欧州共同体(EC)に対する日本の貿易政策において、1970年末から1990年代初めは大きな転換期であった。日EC貿易関係に関しては、日本とECは高まる貿易摩擦を乗り越えるために意思疎通を強化していった。先行研究においては、政策の種類と1980年代中晩から1990年代中盤における日本の対EC貿易政策の決定構造との相関関係が事例ベースで明らかにされている。しかしながら、同時期において、日本の対EC貿易政策の決定過程が「連続体」としてどのように変化してきたのかはほとんど明らかになっていない。 以上のような研究のギャップを補完するために、本研究は1970年末から1990年代初めの日本の対EC貿易政策の決定過程を「連続した」変化のプロセスと捉え分析を行う。この変化のプロセスの結果として、日EC関係が対決的なものから協調的なものへの変化していった。本研究のリサーチ・クエスチョンは以下の通りである:1978年から1991年の間に、日本の対EC貿易政策の決定過程はどのように変化し、その変化はなぜ起こったのか。焦点を当てる期間は日EC間の2つの節目の間の期間である。すなわち、1978年3月の牛場・ハーフェルカンプ日EC共同コミュニケと1991年7月の日EC共同宣言(ヘーグ宣言)である。本研究の理論的アプローチは新制度論である。同理論が焦点を当てるのは、政策決定の「経路依存」性と、アクターの行動(例えば、政治家や官僚による政策の決定)と政治過程の結果に対する制度の役割である。したがって、日本の貿易政策決定過程における「連続した」変化のプロセスを説明する上で、同理論を適用することは妥当である。本研究では、公式の制度(例えば日EC閣僚会議)と非公式の制度(例えば、日欧の当局者、産業界による非公式の定期的な会合)の双方に注目する。研究の手法としては、過程追跡の手法を採用する。一次データについては、日欧双方の外交史料を使用する。さらに、同時期に日EC貿易交渉に関わった日本側の元当局者へのインタビューを通して、欧州側に比べて少ない日EC関係に関する日本側の「オーラル・ヒストリー」の拡充に貢献する。本研究の意義は、30年を経て公開された1970年末から1990年代初めの外交文書を使用することで、同時期の日本の対EC貿易政策の決定過程の変化を再考できる点にある。この政策決定過程の変化は後の日本の対欧州連合(EU)貿易政策の軌跡のベースにある。そして、その軌跡が最終的に2019年に発効した日EU経済連携協定(EPA)に結びつくのである。
Book: Proceeding of the 12th KU/ the 11th EU Workshop
Pages: 78 - 86
Publication year:2020